永田 晋治(ながた しんじ)は東京大学教授。新領域創成科学研究科先端生命科学専攻所属。英語の論文ではShinji Nagataと表記されている。

分野は生物有機化学、昆虫科学。

概要

東京大学農学部農芸化学科の院生時代、永田は生物有機化学研究室(鈴木昭憲教授、長澤寛道教授)に在籍し、分子生命工学研究室(依田幸司教授)にも出入りした。昆虫の脱皮変態を促す前胸腺刺激ホルモン(PTTH)の糖鎖構造を決定した後、発現クローニング法によるPTTH受容体の同定を試みた。PTTHは、その構造決定に関して、複数の研究者が学士院賞や文化功労者を受賞し、講書始でも取り上げられるなどした、由緒あるホルモンである。受容体の同定には至らなかったが、1998年3月に博士号を取得した。

博士号取得直後の1999年頃に、後にGHITMと呼ばれる膜タンパク質が受容体として同定されたということになった。このことは約3億円の重点領域研究費の報告書における主要成果となった。永田はその直後に米国に留学した。帰国後は片岡宏誌が主催する新領域創成科学研究科の分子認識化学研究室に博士研究員として参加し、2001年には日本農芸化学会や内藤カンファレンスにおいてGHITMをPTTHの受容体として学会発表した。内藤カンファレンスでは表彰され、永田は賞金を受領した。また、GHITMをPTTHの受容体としたことに関して、1999年8月から約4億円の大型研究費が交付された。この大型研究費は1999年4月に分子認識化学研究室の助教授に着任したばかりの東原和成の嗅覚研究の立ち上げに間接的に大きく貢献した。また、当時制度が開始されたばかりの学振SPDを分子認識化学研究室が受け入れることにもつながった。なお、現在ではPTTHの受容体は2009年に報告されたTorsoとされており、GHITMは細胞外膜ではなくミトコンドリア内膜に局在するタンパク質であることがわかっている。

永田は2002年に長澤寛道が主催する農学部生物有機化学研究室の助教に就任した。就任後はそれまでの研究から離れ、昆虫の摂食行動や甲殻類のホルモン受容体に関する研究を行った。すなわち、永田は2年程度でGHITMの研究を終えた。一方、新領域の分子認識化学研究室では永田に因って始まったGHITMの研究がその後も10年近く続き、多くのポスドクや学生が少なくない影響を受けることになる。

永田は、2011年に、カイコに注射すると限られた濃度範囲でカイコが頭部をより振るように見えるタンパク質HemaPを摂食行動誘発因子と解釈し、その解釈をJBC誌に筆頭著者として論文発表した。この論文などの注射実験により、永田は日本農芸化学会の奨励賞と日本比較内分泌学会の最優秀賞を同時期に受賞した。また、永田の下でHemaPの精製に関わった学生は、博士号取得直後に加藤茂明研の元スタッフが主催する群馬大学の研究室の助教に2011年11月に栄転した。なお、2012年の年始頃に、加藤茂明研の長年に渡る大規模な研究不正事件がインターネット上で発覚した。永田は2012年3月の日本農芸化学会において、後に懲戒解雇相当の処分を受ける加藤茂明研のスタッフと二人でシンポジウムを主催したが、加藤茂明研の研究不正に永田は関与していない。

遡ること2007年の年末に、ある東京大学教授が、学生やスタッフに対する長年に渡る暴力やいじめによって諭旨解雇相当の処分を受けたことが報道された。2009年に、その教授の抜けた穴に、大きな成果をあげていた東原和成が異動した。永田は、東原和成の抜けた穴を埋める形で2012年12月に新領域創成科学研究科の准教授に栄転した。つまり、永田は、GHITMの発表によって少なくない影響を与えた分子認識化学研究室に10年ぶりに復帰した。10年の間に片岡宏誌はPTTHの受容体探索とは異なる研究で成果を上げており、その当時も主催者として大型研究費を獲得していた。

栄転後の永田はフタホシコオロギを用いた研究やイオン輸送ペプチド受容体の研究を行った。イオン輸送ペプチド受容体の同定においては、片岡宏誌が2008年に発表したカイコのGPCRのリソースを利用した。7年間の間に指導した7人の学生が先端生命科学専攻内の論文賞を受賞した。2021年に教授に昇進し、2023年度からは先端生命科学専攻の専攻長を務めている。

2024年4月、配下の岩崎渉の研究室のホームページが突然閉鎖され、先端生命科学専攻のホームページからも岩崎渉の名前が突然消えた。この閉鎖については報道されているが、その理由は全く公表されていない。

経歴

  • 1993年3月 東京大学農学部農芸化学科卒業
  • 1997年4月 日本学術振興会特別研究員
  • 1998年3月 東京大学大学院農学系研究科応用生命化学博士課程修了(博士(農学))
  • 1999年4月 アメリカ合衆国ネバダ州立大学博士研究員
  • 2000年3月 東京大学大学院新領域創成科学研究科リサーチ・アソシエイト(分子認識化学研究室)
  • 2002年5月 東京大学大学院農学生命科学系研究科応用生命化学専攻助教(生物有機化学研究室)
  • 2012年12月 東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻准教授(分子認識化学研究室)
  • 2021年11月 東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻教授(分子認識化学研究室)

出典

外部リンク

  • 永田 晋治|教授|生命科学研究系

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