喜六と清八(きろく と せいはち)は、上方落語に頻繁に登場する架空の人物。江戸落語には登場しない、上方落語独自の登場人物である。

人物

ほとんどの噺の場合、大阪(大坂)に住んでいる。一般的な展開では2人一緒に登場し、喜六がうっかり者もしくは「ボケ」、清八がしっかり者もしくは「ツッコミ」の役割を受け持つ。

喜六の通称は「喜ぃさん」もしくは「喜ぃ公」。与太郎や甚兵衛に見られる「茫洋としたところ」と、八五郎の「おっちょこちょいなところ」を備えている。喜六が単独で登場する噺もあるが、特異な名前である必要がなく、ボケが出来る若者が求められている際に登場する。与太郎が無職でブラブラしていることが多いのに対し、喜六は定職(主に下駄職人)に就いているのが特徴である。咲または松という名の配偶者がいることがあり、しっかり者や喜六を尻に敷く恐妻として描写される。

清八の通称は「清やん」。しっかりとした性格で、喜六の兄貴分として振舞っている。喜六を引っ張っていく形で噺を展開させる存在である。

三枚起請や宿屋仇のように、喜六と清八よりも年上の源兵衛、通称「源やん」を加えて、三人組で物語を構成する場合もある。

主な登場作品

  • 野崎詣り
  • 無いもん買い
  • 七度狐
  • 伊勢参宮神乃賑 - 通称『東の旅』

脚注

参考文献

  • 相羽秋夫 『落語入門百科』 弘文出版、2000年。ISBN 978-4-875-20217-2
  • 高橋啓之 『落語登場人物辞典』 東京堂出版、2005年。ISBN 978-4-490-10667-1

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